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黄落 [日々の眺め]

         

        

   佐江衆一という作家の小説に「黄落」というのがある。

   老いた両親を介護する葛藤の小説だ。

 

その中に

「でもね、老人にどうしてあげたらいいの わたし、このごろわからなくなるわ」

妻の老母がおむつを取り替えて貰いながら妻の手にすがりついて、涙を浮

かべて、呆けたような声で尋ねたという。

「○○ちゃん、わたしどうしたらいいの?」

死を間近にした老人は誰もが、無言のその問いをわが子に発しているのでは

ないのか。

「わたし、何も考えなくていいのよって言ったわ」

 

 当時、母を介護していて追いつめられた気持ちになっていたとき

母が 同じようなことを言った。

「どうしたらいいの?」

 

今日は 母の命日。

あんなに苦しかった日々を 今は懐かしく 思い出しているが…

「どうしたらいいの?」

命日が来るたびに いまだ その問いの答えを求められているような

気がする。

                       

 

 


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コメント 3

こんにちは。れいです。昨日は訪問していただきありがとうございました。
自分は介護福祉士を目指しています。仕事を通してお年寄りと接する機会は多いのですが、ご家族の代わりにはなれないなと常日頃思うことも多いです。
介護にはひとことで語れない、いろいろな家族のドラマがありますよね。
それでは、また。
by (2005-11-21 08:14) 

タックン

れいさん こんばんわ!
昨日の不具合は私の方が原因でした。ごめんなさい。
介護福祉士を目指しておられるとか、頑張って下さいね。
母はデイサービスを利用していましたが、いつも一人の人間として付き合ってくださった介護職の方たちに、私の方がどれほど助けられたか。。。
by タックン (2005-11-21 19:34) 

mamire

こんばんは。
お母様の命日に、思うことはたくさんあるのでしょうね。
私の母は、最後は、いつも微笑むだけでした。
親がいるのは、いてくれるだけでありがたい。
子供が宝であるのと同じかな。
お母様のご冥福をお祈りいたします。
by mamire (2005-11-23 22:40) 

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