SSブログ

巡礼古道  鎌倉紀行 [小さな旅]

前回からの続きです。

まんだら堂やぐら群から 尾根道を歩き 一旦住宅街(逗子ハイランド)に出ます。
その後 再び山道に入ると 『巡礼古道』 の看板がありました。
報国寺裏までの15分くらいの道のりでした。

まんだら堂やぐら群には たくさんのやぐらが一堂に集められていましたが
この道沿いには ところどころに 木々に覆われるようにポツンポツンとやぐらが見えます。
街中に墓を作ることが禁じられた鎌倉時代
人々はこうした山の中に横穴を掘り 埋葬したしたという やぐら跡


dc120776.JPG


dc120761.JPG


dc120764.JPG



道すがらには 「庚申塔」と掘り込まれた石塔が数多く立て掛けられていました。
「巡礼古道」
その名のとおり どこかしこに死者の魂が漂っているような気がしました。

dc120771.JPG



dc120768.JPG



dc120765.JPG


dc120766.JPG



dc120782.JPG

出口近くの岩場にお地蔵様が立てられていました。
顔はすっかりすり減っています。
時代の中で命を落とした人々への鎮魂でしょうか。
死者の谷と言われるこの地の浄化を引き受けているのでしょうか。
優しい光をまとったその姿に 思わず手を合わせます。

dc120779.JPG



dc120781.JPG



dc120786.JPG

「巡礼の古道」を降り切り 報国寺の裏手にたどりつきました。
不思議な時間の中を通って来たような気分
この明るい紅葉が現実に引き戻してくれるようでした。

dc120790.JPG


何の予備知識もないまま入りこんだ今回の小さな旅
ちょっと感傷的な記事になってしまいましたが 印象に残る場所でした。

そして 後から聞いた話
この切り通しに入るところの「小坪トンネル」は心霊スポットで有名だということを聞きました。
えぇ~・・・・  また歩いてみたいと思っていましたが ひとりで歩くのには・・・?
nice!(17)  コメント(16) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 17

コメント 16

mimimomo

おはようございます^^
なんだか一人で歩けないような雰囲気ですね。
しかしこう言うところがまだ残っていると言うのが不思議と言えば不思議。
by mimimomo (2012-12-17 06:53) 

斗夢

歴史・・・人々が生きていた証し・・・わたしが生きていた証は残らないでしょう、寂しいです。
by 斗夢 (2012-12-17 07:35) 

夏炉冬扇

お早うございます。
いいところです。歩きたい。
南無阿弥陀仏。
by 夏炉冬扇 (2012-12-17 08:45) 

e-g-g

報国寺まで歩かれたのですね。
>不思議な時間の中を通って来たような気分
ひと味違うトリップを楽しまれた様子、仰るとおりですね。

庚申塔、お地蔵様、かつては身の回りのいたるところにあったのでしょう。
少なくとも私の育った横浜の田舎にもずいぶんとありました。
もちろん子どもにはその意味も分からず、
ただの古ぼけた石としか理解していませんでしたけれど。
ごく普通の風景ではなかったと思いますが「やぐら」やそれに類するものも、
同じように「あった」のだと思います。

かつては死は生きることのすぐ隣にあるもの、
その死とどう向き合うかは日々の暮らしの中でも
とても大きな比重を占めていたのでしょうね、
数十年前までは日本人の多くが持っていた認識だと思います。

古くて曖昧なものを綺麗にそして清潔に整えて生まれる新しい街、
東京に感じていた一種の余裕の無さは、
そういった清潔感の蔓延などからも感じたのかもしれません。
もちろん細かく見れば東京にも「昔の気配」はあるのでしょう。
ただ、その東京に倣うように各地の均質化も広がったのですね。

こんなにぐだぐだと書くのなら自分で記事にすればよい!
と思いつつ何を言いたかったのかといいますと、
心霊スポットは、ほんとうは身の回りにいくらでもあった、
そういったものを私たちは忘れすぎたのだ、と感じます。
つい二三日前に鎌倉の繁華街の更地で、
発掘調査らしき作業が行われているのを見ました。
調査して記録して埋め直して、きっと新しいビルが建つのでしょう。
街の真ん中であればそれも仕方ないですね。
せめて、この道のようなスポットだらけのエリアは残って欲しいですね。
身近にある過去への通り道、私も近いうちにまた歩きたいものです。

by e-g-g (2012-12-17 19:49) 

タックン

mimimomoさん こんばんは。
本当に・・・軽い気持ちで入ったのですが
思いがけず鎌倉時代のたくさんの足跡を見ることになりました。
ハイキングコースとはいえ ひとりでのんびりと歩ける雰囲気ではありませんでした^^;
岩場に枯れたイワタバコを見つけました。
花が咲く時期にもう一度行ってみたいと思っています。
by タックン (2012-12-17 21:23) 

タックン

斗夢さん こんばんは。
確かに人が生きていた証を見つけることができましたが
それでも数百年経てば 誰でも無名の魂だけになってしまうのですね。それでいいと思うのですが・・・
やはりちょっとさびしい気持ちになりますね。
by タックン (2012-12-17 21:32) 

タックン

夏炉冬扇さん こんばんは。
歴史を知って歩けば もっと違った印象だったのかも知れませんが それでも幽鬼というか 何かどこからか遠くの声が聞こえてくるという感じの道でした。
やぐらはお墓です。 南無阿弥陀仏が届くことでしょう。
by タックン (2012-12-17 21:39) 

タックン

e-g-gさん こんばんは。
いただいたコメントを何度も読ませていただきました。
思うように言葉で伝えられないもどかしさを感じながら
記事にしましたので あぁ~ そう言うことなのだと
改めてあの「巡礼の古道」の風景を思い浮かべました。
自然と人の生死が溶け込んでいた時代
その懐かしさを感じとれる山道だったのかと。
記録だけでは感じとれない歴史
>身近にある過去への通り道(いいですね~)
こういう遺跡をあまり手を加えず残して欲しいものです。

e-g-gさんは逗子に移られて 
なにかとても活き活きとされているように感じますよ^^
by タックン (2012-12-17 22:18) 

きよたん

私の住まいも古い街道沿いで
駐車場の敷地の中に鳥居が残されていたり
道のそばに地蔵様があったりします
お寺や神社も日本の至る所にありますよね
何百年も前からあるのでしょうね
15分ほどの通り道でしょうが私も一度は
たどってみたいものです
by きよたん (2012-12-17 23:19) 

タックン

きよたんさん こんばんは。
古い街道沿いを歩くと その道を行き来していた当時の
人々の暮らしが感じられるような史跡があちこちにありますね。
いろいろな時代の光景を目撃して来たのでしょう。
それらを想像しながらの街道散策 いいですね~
by タックン (2012-12-18 21:51) 

水郷楽人

鎌倉、興亡の歴史、人々の喜怒哀楽が漂っているのかも知れませんね。
by 水郷楽人 (2012-12-22 12:31) 

sakamono

「巡礼古道」というからには、そういう道だというコトなんですね。
自分は「巡礼」の意味が、よく分かっていませんでした^^;。
でも、最後の鮮やかな紅葉の風景に、現実に引き戻されるような
気分になったコトは、何となく分かるような気がします。
by sakamono (2012-12-22 15:01) 

タックン

水郷楽人さん こんばんは。
もう少し歴史を知って歩けば 
また違った感想があったのかも知れませんね。
何の予備知識もなく入ってしまいましたが 
確かにこの森の中に漂う深い時間の奥から
漏れ聞こえる声を聞いたような気がします。
by タックン (2012-12-22 21:54) 

タックン

sakamonoさん こんばんは。
私もなぜこの山道が「巡礼古道」なのかわかりませんでした。
でも木々に覆われたたくさんのやぐらに出合い、ここが死者の谷であることを感じることができました。
その死者たちの魂を沈めるための石塔でしょうか
道々にたくさん納められていました。
本当に不思議な時間を歩いてきた気分でした^^
by タックン (2012-12-22 22:12) 

トリエル

鎌倉にはこんな昔に繋がる場所がたくさんあるんですね。
以前鵠沼海岸に住んでいた事があり、その頃時々鎌倉には行ったりしていましたが、もっとちゃんと行っておけば良かった。
これからまたちょっとずつ訪れてみたいです。
不思議な時空を旅してみたいです。

by トリエル (2012-12-23 14:11) 

タックン

トリエルさん こんばんは。
鵠沼にお住まいになっていたことがあるのですね!
私の家からも鎌倉はわりと近いのですが
あまり熱心な訪問者ではありません^^
たまたま時間があって訪ねてみましたが もっと歴史を
知って歩けばより興味が持てたかもしれません。
不思議な時空の旅・・・確かにそのような旅でしたよ。
by タックン (2012-12-23 22:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。