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「富士日記」 [日々の眺め]

   

  今日の夕刊(朝日)に、「武田泰淳の日記を読む」と題して文芸評論家の川西
  政明氏の記事が載っていた。
  武田泰淳という作家は、私にとっては武田百合子さんの夫、武田花さんの父親と
  いう認識だけで、どういうものを書いていたのかはまったく知らなかった。
  今日の記事で、彼が近衛歩兵第二連帯に入隊、その後上海攻防戦、杭州戦略戦
  徐州会戦、武漢会戦へと、戦争に参加し、戦争での殺人を告白した『審判』という小
  説を書いた作家だということを初めて知った。

               

   武田百合子さんの本が大好きで、特に「富士日記」は何度も何度も読んでいる。
   その日に食べたものとか、会った人との会話とか、犬のこと、そして夫、泰淳との暮
   らしとかがつづられているだけの本なのに、読むたびに元気になれる、私にとっては
   まさに愛読書。
   その中の泰淳は、まるで大きな子供、百合子さんの天真爛漫な性格に守られての
   作家生活に思われた。

    
  
    泰淳の小説の清書をしていた百合子さん。
    今日、この記事を読んで 『富士日記』 は 
    こんな深い思い(苦しさ)を共有した中で書かれていたんだ・・・と
    思った。
       
   
   

  


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コメント 14

絵瑠

タックンさん、お早う御座います。
今日も素敵な画像ですね。
いつも思うのですが、タックンさんはとても読書家で居らして・・・。
活字離れして居る当方としましては、反省しきりです。
見習わなくては・・・と思って居ます。
by 絵瑠 (2006-01-13 08:41) 

アッキー

審判は重いですねぇ読むのに体力が必要かも
富士日記はレビューを読んで買ってみたくなりました
帰りに探してみようっと!!
by アッキー (2006-01-13 11:18) 

mamire

ほんと、タックンさんはよく本を読んでいます。
知らない世界に思いを馳せることは大切ですね。
私は、スリルとサスペンス。義理人情者ばかり。
by mamire (2006-01-13 19:55) 

タックン

絵瑠さん こんばんわ!
ブログを始めたら、すっかり本とはご無沙汰。
昔は時間があればゴロゴロ本を読んでましたけど・・・
これでいいのかなぁ~?
by タックン (2006-01-13 19:55) 

タックン

アッキーさん
「審判」を読まれたんですか?
体力がなくなっているので(^^)読むことはないかも・・・辛そうだし・・・
でも「富士日記」はもう一度読まなくてはと思いました。
by タックン (2006-01-13 20:05) 

タックン

mamireさん
だんだんと読む本が限られてきました。
読みもしないのに・・・と嫌味を言われながらも
本を積んでおくのが好きです(^^;)
by タックン (2006-01-13 20:21) 

私は全然未知の世界です~。コメントできない・・・
ただ、昔読むべきとされていた純文学がニュー古典となってしまって、若い人は読みませんね。本屋さんに行っても、正直、資源の無駄と思うような本が多いです。
私自身も若い作家さんを好むようになっています。
そして、今、読んでいるのは『ハリー・ポッター』です。それも、息子に友達から借りてこさせて・・・いいのか??これで(-_-;)
by (2006-01-13 21:20) 

タックン

こぎんさん
それでいいんじゃないのかなぁ。
その時身体が欲するものを食べるというようなもの。
私も若い日読んだ(読めた?)作家が、今は苦手というのも多々ありますもの。ただ気になる作家がいろいろに繋がって、ひとつの線になっていくって
結構面白い・・・かな?
by タックン (2006-01-13 21:55) 

こんにちは。
先日、タックンさんの記事を読んで武田花さんのネコ写真集を購入しました。
断片的にぺらぺらと読んで(眺めてる)ますが、味わい深くて気に入ってます。かわいいだけではなくて、緊張感が少しあるところに魅力を感じます。
by (2006-01-14 15:26) 

風の又三郎

こちらの晩秋の風景と同じ、えらい違いですね。
戦争を経験した世代ではないけれど、戦争の狂気や愚かさは充分理解しているつもり。再び過ちを繰り返すことのないよう、何かきな臭い今を、しっかり監視していかねば・・・。
by 風の又三郎 (2006-01-14 18:32) 

タックン

れいさん こんばんわ!
武田花さんの写真、いいですよねぇ~。文章も素敵です。
この花さんを育てた百合子さんの『富士日記』も機会があったら是非!
「ミーちゃんのおはなし」シリーズ読んでますよ、最終回が楽しみです。
by タックン (2006-01-14 20:13) 

タックン

座敷わらしっこさん こんばんわ!
毎朝、この雑木林をガサガサ歩いています。
ここに、うっすら雪景色っていうのもいいのですけど
今年はまだ・・・今日は雨でした。
きな臭い臭い・・・確かに。せめて心にとめることだけはしたいと思います。
by タックン (2006-01-14 20:29) 

こーさん

こんばんは。ご訪問ありがとうございました。私も実は、先にコメントされたタックンさんの「マッチ擦る~」に反応しておりました。寺山さんの初期の詩篇、みずみずしくて好きです。故郷を血縁を断ち切ろうともがきながら、引きずってまたそこに埋もれて傷ついている。愛するゆえの憎しみのような。
武田泰淳は『ひかりごけ』しか知りませんでした。カニバリズムを描いた実験的な戯曲。ずいぶん前に、劇団四季でも演じられました。
百合子氏の『富士日記』もぜひ読んでみたいです。
近くにいいところがあるんですね。雑木林に降る雨は、どんな物語を紡いでいるんだろう。また寄らせていただきます。
by こーさん (2006-01-14 22:31) 

タックン

こーさん
早速のご訪問ありがとうございました。
寺山さん、才能があふれているという方でしたが、こーさんが言われたように
初期の作品がいいですよね。こぎんさんのブログを読んで、もう一度読み直してみたいと思いました。
武田百合子さんの『富士日記』、是非読んでみて下さい。
今ならブログ日記というような本です。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
by タックン (2006-01-14 23:18) 

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