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記憶する日 [日々の眺め]

さっと 黒い影が横切って行った

ド~ン!

タイヤの音をきしませて 車が立ち去って行く

残されていたのは・・・黒い子猫

四肢を痙攣させて 横たわっていた

あぁ~ 轢かれてしまったのだ

思わず抱きかかえ 路肩に横たえる

轢かれちゃったかぁ・・・

一緒にその瞬間を目撃した男の人の声が残されて

気がつくと 私の両手は真っ赤な血で染まっていた


とにかく家に連れて行かなくては

子猫の体は 抱えた両手のなかでくたくた揺れている

大丈夫  大丈夫  大丈夫!

こんなに温かいんだもの 大丈夫

・・・・・・・・・


家に横たえた小さな体は ピクリとも動かない

口から流れる血

片目が飛び出している

こんなに温かいのに・・・こんなにつやつやしているのに・・・

何度も体をなでてみる

ふっと目を開けて 生き返ってくるのではと

何度も何度も 体をなでてみる


真っ黒い子猫だった

野良だったのだろうか

一瞬にして 生の終わりがやってきてしまった

その瞬間まで 生きていたのだ

楽しいことがあっただろうか

少しでも幸せな時間があっただろうか

誰も知らない 黒猫子猫の死


記憶する日にするよ


2010年11月1日 午後6時25分

その時まで 生きていた黒猫子猫 



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